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オリジナルTシャツを製作するときは著作権侵害に注意!肖像権や商標権、NG事例も解説
自分好みのデザインでTシャツが作れるオリジナルTシャツは、人と被らないおしゃれなTシャツが作れると人気があります。しかし、デザインによっては著作権などの知的財産権の侵害に当たるケースもあるため、製作する際は注意しなければなりません。
そこで本記事では、オリジナルTシャツを製作する上で知っておきたい著作権やその他の知的財産権の概要や、著作権に当たるケース・当たらないケースなどを解説します。オリジナルTシャツを作る前に、著作権への理解を深めましょう。
オリジナルTシャツ製作で気を付けたい著作権とは?

著作権とは、絵や文章などの著作物を創作した著作者に与えられる知的財産権の一つです。著作権法では、著作者を守る「著作者人格権」と、著作物使用の対価を受け取れる「著作権(財産権)」を定めています。
自らが作った著作物をどのように扱うかは、基本的に著作者が決定できます。著作者は著作物を使って自由にグッズの製作や、雑誌・SNSなどへの投稿を行うことが可能です。
第三者は著作者の許可を取り、必要に応じて著作権使用料を支払うことで、著作物が使用できます。しかし、許可を取らずに無断で著作物を使用すると、著作権侵害に当たり、罰則の対象となります。
著作権の保護対象となる著作物は、以下の通りです。
・小説などの文章
・音楽(歌詞を含む)
・アニメ・マンガ
・イラスト・絵
・図形・図表
・写真
・ダンスなどの振り付け
・映画・テレビ番組
・コンピュータープログラム
オリジナルTシャツを作る際、許可なしに誰かが創作した著作物を使ってデザインを作るのは、著作権侵害に該当します。
インターネット上には素材を自由に利用したり、編集・加工したりできるフリー素材もありますが、フリー素材も著作権の保護対象です。フリー素材には利用規約が定められており、規約に従って使用する必要があります。
著作権侵害の罰則
著作権で保護されている著作物を著作者の許可なしに使用すると、刑事上の罰則の対象になり、10年以下の懲役または1,000万円以下の罰金が科される可能性があります。また法人が著作権侵害をした際は、3億円以下の罰金が科される恐れがあるため注意が必要です(※)。
加えて、著作権侵害をすると民事上で訴えられる可能性もあります。多額の賠償金が請求されることもあるため、オリジナルTシャツを作る際は、著作権に十分配慮しましょう。
※参考:公益社団法人著作権情報センター.「著作物を無断で使うと?」.https://www.cric.or.jp/qa/hajime/hajime8.html ,(参照2025-03-18).
著作権は一定期間後に消滅する
日本では、原則として著作者が死去してから70年たつと著作権が消滅することになっています(※)。著作権が消滅した著作物は、自由に利用することが可能です。ただし、著作権は消滅しますが、著作者人格権は消滅しません。
※参考:
公益社団法人著作権情報センター.「著作権は永遠に保護されるの?」.(参照2025-03-18)肖像権や商標権にも注意が必要
オリジナルTシャツを作る際は、著作権に加え、肖像権や商標権といった知的財産権にも注意する必要があります。それぞれどのような権利なのかを説明します。
肖像権
肖像権とは、無断で人を撮影したり、写真や動画などを利用・公表されたりしない権利のことです。
芸能人やスポーツ選手に関連したニュースなどで耳にすることが多い言葉ですが、誰にでも与えられている権利です。そのため、友人などの写真を無断でオリジナルTシャツのデザインに使用すると、肖像権侵害になります。
また有名人の場合、似顔絵を描いてデザインに利用することも、肖像権の侵害に当たる可能性があるため注意してください。
商標権
商標権とは、商品やサービスのロゴや文字などに対する権利のことです。
例えば、商標登録されたブランドのロゴをオリジナルTシャツのデザインとして使用すると、商標権侵害に当たる恐れがあります。
また商標登録されたロゴや文字には、®?のマークが表示されていることがあります。商標登録していないのにこれらのマークを付けるのは「虚偽表示」に該当するため注意が必要です。
例えば、自分で作った商標登録されていないロゴに®?を付けるのは、虚偽表示に該当し、3年以下の懲役または300万円以下の罰金を科される恐れがあります(※)。
※参考:
特許庁.「知的財産権と刑事罰」p8.(参照2025-03-18)知的財産権の侵害に当たるデザインは業者に断られる可能性も
オリジナルTシャツを製作する際、業者に依頼することを考えている方も多いかもしれません。
しかし、著作権などの知的財産権を侵害するデザインで業者に製作を依頼すると、断られてしまう可能性が高いです。著作権があるイラストやキャラクターなどの著作物を使用してオリジナルTシャツを製作したい場合は、著作者や著作権を管理している企業・団体から許可を受ける必要があります。
オリジナルTシャツ製作が著作権侵害に当たるケース

どのようなオリジナルTシャツを製作すると、著作権侵害に当たるのでしょうか。著作権侵害に当たる5つのケースをご紹介します。
他者が創作したキャラクターをデザインに使用する
他者が創作したキャラクターを無断でデザインに使用するのは、著作権侵害に当たります。
知名度が高いキャラクターに注意する方は多いかもしれませんが、著作権侵害に当たるかどうかに知名度は関係ありません。それほど知られていないキャラクターでも、既に発表されているキャラクターを許可なく使用すると、著作権侵害になります。
映画のワンシーンのパロディをデザインにする
映画のワンシーンのパロディをデザインにするのも、著作権侵害に当たります。
著作権法では、著作物の改変も著作権侵害に該当するとされています。映画はもちろん、イラストやマンガ、キャラクター、ロゴなどのパロディも、著作権侵害に当たる可能性があるため注意しましょう。
歌詞の一部をデザインに使用する
歌詞の一部を許可なくデザインに使用するのも著作権侵害に当たります。
前述した通り、歌詞を含めた音楽も著作権の保護対象です。小説やエッセイ、詩などの文章の一部をデザインに使用するのも著作権侵害になります。
SNSで見つけた写真をプリントする
SNSで見つけた写真を許可なくTシャツにプリントするのも、著作権侵害になります。
自分で撮影した写真を使用するのは問題ありませんが、他者が撮影した写真の場合、著作権の保護対象です。芸能人やインフルエンサーが撮影した写真はもちろんですが、フォロワーが多くないユーザーの投稿した写真でも、無断で使用することはできません。
フリー素材のイラストをデザインに使用する
フリー素材のイラストをデザインに使用した場合も、著作権侵害に該当する可能性があります。
前述した通り、フリー素材も著作権の保護対象です。オリジナルTシャツへの利用が可能かどうかは、著作物の利用規約によって異なります。利用規約でオリジナルTシャツへの利用が認められていない場合は、フリー素材であっても著作権侵害になるため注意が必要です。
オリジナルTシャツ製作で著作権侵害に当たらないケース
オリジナルTシャツ製作で著作権侵害に当たらないケースには、どのようなものがあるのでしょうか。4つの例をご紹介します。
使用許可を得たイラストや写真をデザインに使用する
使用許可を得たイラストや写真などをデザインに使用するのは、著作権侵害には当たりません。
著作権で保護されている著作物であっても、許可を取れば使用が可能です。例えば、クラスメートが創作したイラストをデザインに使用したい場合、創作した人の許可を取れば、問題なく使用できます。
自分で創作したキャラクターを使用する
自分で創作したキャラクターをデザインに使用するのも、著作権侵害にはなりません。
自分が創作したキャラクターの著作権は自分にあります。そのため、そのキャラクターをどのように使用するかは、自分で決めることができます。
ただし、既に発表されているキャラクターを参考にする場合は注意が必要です。他のキャラクターと判別できるほど似ていると、パロディと見なされることもあります。
もちろんキャラクター以外でも、自分が一からデザインしたものであれば、著作権侵害には当たりません。
業者の提供するテンプレートやイラストを使用する
業者の提供するテンプレートやイラストを使用したデザインも、著作権侵害に当たる心配はありません。
オリジナルTシャツを製作している業者の中には、デザインのテンプレートやイラストを無料で提供しているところもあります。これらを組み合わせてオリジナルのデザインを作れば、著作権侵害の心配なく、簡単にオリジナルデザインを製作できます。
個人で製作し、私的にTシャツを着用する
著作権があるイラストや写真などの著作物をデザインしたオリジナルTシャツを、個人で製作し、限られた範囲で私的に着用するのも、著作権侵害には該当しません。
法律では「私的使用のための複製」は、著作権の侵害に当たらないとされています(※)。自分でオリジナルTシャツを作り、家族や友人などのごく身近な人たちの間で私的に使用するのであれば、著作権の問題はありません。
ただし、限られた範囲で私的に使用するとしても、著作物を許可なく使用したデザインのオリジナルTシャツ製作を業者に依頼すると、著作権侵害になります。
※参考:
公益社団法人著作権情報センター.「著作権が制限されるのはどんな場合?」.(参照2025-03-18)著作権などの知的財産権を理解して自分だけのオリジナルTシャツを作ろう
オリジナルTシャツはデザインを自由に作れるのが魅力ですが、既に発表されているイラストやキャラクターなどの著作物、人の写真などの肖像、商品のロゴなどには知的財産権があります。オリジナルTシャツのデザインを考える際は、著作権などの知的財産権に配慮するように意識しましょう。
オリジナルTシャツなどのプリントウェアに年間100万枚の実績がある「エドバン」では、デザインの参考にできるテンプレート集をご用意しています。もちろん一からデザインした世界に一つだけのデザインを、Tシャツにプリントすることも可能です。フリーハンドのデザインのデータ化にも対応しているため、オリジナルTシャツを作りたい方はお気軽にご相談ください。