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Tシャツのプリント方法ってどんな種類がある? 代表的な6つの方法を紹介
オリジナルのTシャツを作る際は、どんなデザインにしたいかによって適するプリント方法が変わります。業者によってもさまざまな種類があり、どれを選べば良いか分からないという方も多いのではないでしょうか。今回は代表的な6種類のプリント方法について解説します。
シルクプリント

シルクプリントはTシャツの代表的なプリント方法の一つで、正式名称はスクリーンプリントといいます。デザインごとに版を作成し、版に開けられた穴からTシャツにインクを載せる方法です。そのため、使用する色の数だけ版を作る必要があります。
シルクプリントの特長
シルクプリントを使用する場合、下記のような特長が挙げられます。
・大量発注に向いている
・耐久性に優れている
・発色が良く、ラメや蛍光色も使える
・綿やナイロン、ポリエステルなど素材を選ばない
前述したように、色ごとに版を作ってプリントする方法のため、一度製版したもので大量のプリントを行い、発注数が多いほどコストを下げることができます。また比較的耐久性に優れていて、日数が経過しても色があせにくいという特長があります。
発色が良く、他のプリント方法ではできないような加工ができることも嬉しいポイントです。例えば、ラメ入りのインクや、立体的な見た目になる「発泡」、古着のような質感を出せる「ひび割れ」など、仕上げたいイメージに合わせて、さまざまな加工方法を選択できます。使用するインクを変えることで、幅広い素材にプリントが可能です。
シルクプリントが向かないケース
シルクプリントが向かないケースとして、費用の問題が挙げられます。Tシャツのプリントに多くの色を使用したい場合、シルクプリントでは色数分の版代が必要です。プリント数にかかわらず版を作る必要があるため、少量での発注は一枚当たりのコストが割高になってしまい、向かないといえるでしょう。
また精細なデザインや複雑なデザインは再現が難しい場合もあります。
DTG(ダイレクトインクジェット)
DTGとは「direct to garment」のことで、ガーメントプリンターと呼ばれる機械から直接生地へプリントできるプリント方法のことです。下処理を施した生地に熱プレスをかけ、プリント面の毛羽立ちを抑えます。パソコンからデザインデータをガーメントプリンターに送り、生地に顔料インクを直接噴射してプリントします。
DTG(ダイレクトインクジェット)の特長
TシャツにDTGを使用してプリントをする場合、下記のような特長が挙げられます。
・直接プリントするため、版代がかからない
・縫い目の上などにもインクを載せられる
・細かいデザインにも対応している
まずDTGはスクリーンプリントのような製版作業が不要なので、版代がかかりません。そのため少量の発注でもコストを抑えられるのが大きな魅力です。さらに、縫い目の上にもムラなくインクを載せられるため、より自由度の高いデザインをプリントできます。大型のプリンターを使用すれば、Tシャツ全体にプリントすることも可能です。
DTG(ダイレクトインクジェット)が向かないケース
DTGでプリントできる生地は、基本的に綿に限られます。ポリエステルやナイロンなどの化学繊維にはインクが定着しにくく、プリントが難しいためです。また洗濯は問題なく行えますが、摩擦に対してはやや弱い傾向にあります。スポーツなどの場面で摩擦を多く受ける場合には、向かないでしょう。
金銀や蛍光などの特殊インクには対応していないため、デザインによっては他のプリント方法を検討する必要があります。
DTF(インクジェット)転写
DTF(インクジェット)転写は、インクジェットと転写プリントを組み合わせた新しいプリント方法です。DTFは「direct to film」の略で、転写フィルムにガーメントインクジェットを印刷し、生地に熱圧着する方法を指します。
DTF(インクジェット)転写の特長
TシャツのプリントにDTFを使用する場合、下記のような特長が挙げられます。
・ポリエステルやナイロンなどの素材にもプリントできる
・製版不要のため、版代がかからない
・細かなデザインが得意
・耐久性に優れている
DTF転写は、綿のTシャツに限らず、ポリエステルやナイロンなどにもプリントできる方法です。ダイレクトインクジェットと同じく版を必要としないため、発注数が少ない場合にも適しています。細かな模様やグラデーションを再現できるのが魅力です。洗濯や摩擦に強く、色落ちやひび割れが起きにくいなど、耐久性の面でも優れたプリント方法です。
DTF(インクジェット)転写が向かないケース
DTF転写はTシャツの生地にフィルムが貼りついた状態となるため、面積の大きなプリントの場合、通気性が悪くなる可能性があります。少ない数でもお得に発注できるのがメリットである一方、枚数が多くなるにつれコストがかさむ可能性があります。
また淡い色を使用したデザインの場合、Tシャツの生地の色に影響され、思ったような色に仕上がらない可能性があります。
シートカッティング転写

シートカッティング転写は、転写シートを型抜きした後、生地に熱圧着するプリント方法です。
シートカッティング転写の特長
シートカッティング転写で行うTシャツのプリントには、下記のような特長があります。
・デザインや文字のエッジがシャープできれい
・シートの種類によっては金・銀・蛍光色・グリッターなども選択できる
シートカッティング転写はカットによってデザインを作っていくため、他のプリントに比べて端の部分をシャープに表現することが可能です。
シートのラインアップの中から色を選ぶ必要がありますが、近年は選択できるデザインの幅が広がっています。金・銀・グリッターや、蓄光素材のシートもあるため、好みの色が見つかれば、イメージ通りのTシャツのデザインを実現できるでしょう。
シートカッティング転写が向かないケース
シートカッティング転写は、多色プリントには向かないことが多いです。単色でのデザインなら製作することができますが、複数の色を使いたい場合は他のプリント方法を試す必要があるでしょう。
また基本的には用意されたシートの色にしか対応できないため、詳細な色指定はできません。
さらには、シートを熱プレスするため、大きなデザインを貼り付ける場合は、Tシャツの通気性に悪影響が出るでしょう。着たときにごわごわとした違和感が生じる可能性もあり、着心地を優先する人には向かない場合があるといえます。
カラー転写(プリント&カット)
カラー転写は、転写専用のプリンターを使ってデザインを白地の専用転写紙に印刷し、それを生地に熱プレスして定着させるのが基本のプリント方法です。濃色生地の場合は、出力後に不要部分をカス取りし、リタックフィルムへ移してから熱転写を行う「リタックカラー転写プリント」という方法もあります。
カラー転写(プリント&カット)の特長
カラ−転写の場合、下記のような特長が挙げられます。
・色数に制限がないため、写真やフルカラーのプリントに向く
・濃色生地にも対応しているので、全ての色のTシャツに使用できる
・デザインの周りにはTシャツの生地色に似たフチが付く
写真やフルカラーのデザインをTシャツに表現したいときには、カラー転写をおすすめします。赤や黒など、濃い色の生地にも美しくプリントできるため、Tシャツの地の色に左右されずにプリントを生かしたい場合は、イメージに沿った仕上がりを実現できるでしょう。
カットしたシートを貼りつけるため、デザインの周りには生地と同系色のフチが付くことになります。ワッペン風など、この特長を生かしたデザインにすることも可能です。
カラー転写(プリント&カット)が向かないケース
カラー転写では入稿したデータをそのまま出力するため、色指定などはできません。またカラー転写の種類によっては、使用を続けるとひび割れや、剥がれを起こす場合があります。こういった使い込みによる変化が気になる方は、避けた方が良いこともあるでしょう。
またリタックカラー転写を使用した場合、カス取りといってデザインの余白部分のシートを取り除く工程が追加されるため、細かなデザインには向かない傾向にあります。シンプルなデザインで、余白が多い場合はこの工程が生かされるでしょう。
昇華転写プリント
昇華転写プリント(DFP)は、専用プリンターで昇華インクを転写紙に印刷し、白のポリエステル生地に高温で熱圧着して色を浸透させる方法です。インクが繊維内部に染み込むため、写真やグラデーションを鮮やかに再現できます。
昇華転写プリントの特長
昇華転写プリントには下記のような特長があります。
・製版が不要のため、少量の発注でも比較的安価
・通気性が良く速乾性が抜群
・伸縮にも強く、プリントの色落ちや剥がれ・ひび割れの心配がない
スクリーンプリントとは異なり、版を作る工程が要らないため少量の発注でも比較的コストを抑えられるといえます。ただし、プリントの大きさなどにもよるため見積額の確認が必要です。
気化させたインクがTシャツに染み込むことでプリントが完成するので、生地の表面がごわごわせず、柔らかな風合いに仕上がるのが特長です。大きなデザインを施した場合でも、通気性が悪くならないのが嬉しいポイントです。
昇華転写プリントが向かないケース
昇華転写プリントができる生地は、白のポリエステル100%素材に限定されるので、カラー生地や綿生地などにはプリントができません。
また長時間紫外線に当たると、色落ち(色あせ)することがあるので、屋外でのスポーツなどで着用する場合には注意が必要です。
さらには、昇華プリントの特性上デザインのエッジがにじむ傾向があるため、シャープな仕上がりを求めている場合には向かないでしょう。
目的に合ったプリントの方法を選ぼう
それぞれのプリント方法は、デザインの大きさや細かさによっても向き不向きがあります。デザインに合わせてプリント方法を選択すれば、色合いやTシャツの耐久性などに対しても満足度を上げられるでしょう。さまざまな種類の中から、目的に合ったプリント方法を選んでみてください。
エドバンでは、さまざまなプリント方法を取りそろえ、オリジナルTシャツの製作に対応しています。オリジナルTシャツを作りたい方は、ぜひエドバンまでお気軽にお問い合わせください。